はるか昔、太平洋の海底に積もった貝やサンゴなどの海の生
物の遺骸が、海洋プレートが大陸プレートに沈み込む際には
ぎ取られていきました。これを「付加体」と呼び、尻屋崎は
その付加体を観察する絶好のポイントです。
ここでは、東北最古の灯台である尻屋埼灯台や、岬周辺で放
牧される寒立馬(かんだちめ)を見ることもできます。
太平洋に突き出たさいはての大地が、いかに資源に恵まれて
いるかを体感できるエリアです。

地球の力で押し固められた岩

尻屋崎周辺の大地は、海洋プレートが大
陸のプレート下へ沈み込むとき、海底に
溜まった生物の遺骸がはぎ取られて押し
固められた硬い岩盤で出来ています。こ
れは、主にジュラ紀の生物の遺骸からで
きたチャートや石灰岩です。尻労(しつ
かり)という地域の漁港では、平坦にた
まった地層が押し固められた際に曲がっ
た様を見ることができます。

尻屋埼灯台を支える硬い大地

津軽海峡と太平洋の海流がぶつかる尻屋
崎沖は、潮流が複雑なため古くから航海
の難所でした。そこで、明治9年にレン
ガ造りでは日本一の高さ(32.82m)を
誇る尻屋埼灯台が建てられました。尻屋
崎の先端は、白亜紀に貫入したマグマが
固まった硬い閃緑岩でできており、大き
な灯台を建てるための地盤として適して
いました。

浅い海底と荒波が支える「拾いコンブ漁」

尻屋崎の海岸付近は、波浪による侵食に
よって、平坦で浅い海底が広がっていま
す。これによって、海底まで日光が届く
ため、マコンブなどの藻類がよく育ちま
す。太平洋からの荒波によってはがれ、
海岸に流れついたコンブを拾う「拾いコ
ンブ漁」が尻屋の集落で営まれています。
自然の力で流れ着いたもののみを採るの
で、持続可能な営みと言えます。
ただし、許可無く海岸に近づくと密漁と
間違われるので注意が必要です。